Dドリアン・モード
『Dドリアン・モード(音階)とは、Cメジャースケール(ド~シの白い鍵盤の音階)をD(レの音)から弾き始めた音階のことです』とよく言われます。
それはそれで間違いではありませんが、スケール、モード(どちらも音階のことです)の本質は何の音から弾き始めるということではなく、
何のコード上に弾いているかが最も大切なことです。
実験してみましょう。
- 鍵盤のC(ド)の音を、右手の人差指でゆ~っくりなテンポで何度も繰り返し弾きましょう。
- それを繰り返しながら同時に、反対の左手でCメジャーコードの和音を弾きます。
- Cメージャーコードの上に右手の C(ド)の音は明るく響くはずです(ルートの音)
- 今度は再び右手の人差指で鍵盤のC(ド)の音を、ゆ~っくりなテンポで何度も繰り返し弾きながら同時に、こんどは左手でAm(マイナー)コードの和音を響かせます。
- すると、右手は同じ C(ド)の音を弾いているはずなのにAmのコード上ではなんだかその右手の人差指で弾いている C(ド)の音が暗く、悲しく聞こえます(Amの短3度の音)。
上記の結果のように、同じ音を弾いても、左手で何のコードを弾いているかによって音の役割が変ります。
音階でも同じことが言えます。
右手でCメジャー・スケールを弾きながら左手でCメジャーコードを弾けば、そのままC メジャー・スケールの響きですが、もし左手でDmコードを弾けば『Dドリアン・モード』の響きに変わります。もし左手でEmコードを弾けば『Eフリジアン・モード』の響きに変わります。
もしFメジャーコードを弾けば『Fリディアン・モード』の響きに変わります。
実は『Dドリアン・モード』は何の音から弾き始めても『Dドリアン・モード』なのです。
何の音階を何のコード上に弾いているのか?
そしてその響きに耳をすまして聴くことが大切だったのですね。